楽譜が教えてくれる、再現性のある記述の力

楽譜が教えてくれる、再現性のある記述の力

人生でほぼ初めて、ピアノを触る

大人になってからやってみたかったことの一つが、「ピアノを弾けるようになる」ことでした。

最初はぼんやりと、ピアノが弾けるというのはどういうものなのか想像する程度でした。テレビや動画で見るピアニストの指の動き、美しい音色、そして楽譜を見ながら演奏する姿――そうしたものに憧れはありましたが、実際に自分が弾けるようになるとは、あまり考えていませんでした。

昨年の末ごろから、急にそのイメージが膨らみました。ご縁があったこともあり、ふと思い立ってピアノを習い始めることにしたのです。

正確に言うと、「習い始めた」というより、「触り始めた」という表現の方が近いかもしれません。人生でほぼ初めて、本格的にピアノというものをまともに触りました。

最初は、鍵盤のどこを押せばいいのかもわからない状態でした。指は思うように動かず、音を出すだけでも一苦労。右手と左手を別々に動かすことの難しさ、楽譜の読み方、リズムの取り方――すべてが初めての経験でした。

それでも、少しずつ練習を重ねるうちに、簡単な曲が弾けるようになってきました。最初は片手ずつ、そして両手で、いつかは楽譜を見ながら――ちょっとずつできることが増えるのが嬉しく、新鮮な気持ちを覚えました。

そして、楽譜を見ているうちに、あることに気がついたのです。


楽譜という、再現性のある記述

義務教育以来まともに見る機会のなかった楽譜。習い始めはただの図形の羅列にしか見えませんでしたが、自分で鍵盤をたたき、ポイントを鉛筆で書き込むごとに、楽譜に散りばめられたいろいろなルールも少しずつ理解できるようになりました。そんな中、楽譜には、音の高さ、長さ、強弱、テンポ、繰り返しの指示――演奏に必要な情報が、記号や文字で記されていることに気づきました。

五線譜の上に並ぶ音符や記号を見ていると、これが「記述」(対象とする物事の特質がはっきり分かるように、秩序だてて書きしるすこと)なのだと、改めて感じました。音符や記号で、音の情報を正確に表現する。同じ楽譜を見れば、誰が弾いても同じ曲になる(解釈の違いはあれど、基本構造は同じ)。世界中で共通のルールがあり、誰でも読める。小節、フレーズ、セクションという単位で整理されている。

現代の五線譜の原型は、中世ヨーロッパで生まれました。それ以前にも、音楽を記録する方法は存在していましたが、五線譜の登場によって、音楽は「再現可能な記述」として確立されました。同じ楽譜を見れば、何百年も前の曲を、現代の私たちが演奏できる。これは、すごいことだと思いませんか?


記述は、未来への贈り物

ピアノを練習していて気づいたのは、記述の質が、再現性を大きく左右するということです。

わかりやすい楽譜は、演奏しやすい。記号が適切に配置され、構造が明確で、読み手が迷わない。逆に、記述が曖昧だったり、構造が複雑すぎたりすると、再現するのが難しくなります。

何百年も前の楽譜が、今でも演奏できる。それは、記述が適切に、そして標準化された形で残されているからです。

これは、楽譜に限った話ではありません。わかりやすく、構造化され、標準化された記述があれば、何年も経ってからでも、その意図を理解し、再現できます。どんな仕事でも、どんな会社でも、同じことが言えるのではないでしょうか。

私たちが作るもの、私たちが残す記述が、未来の人たちにとって価値を持つかもしれない――そう思うと、記述の質を大切にしたい、という気持ちになります。


まとめ

記述は、未来への贈り物です。適切に記述されたものは、後から見た人たちにとって、大きな価値を持ちます。楽譜が何百年も演奏され続けるように、私たちが作る記述も、長く活用され続けるものでありたいと思います。

もし、「未来への贈り物を残したい」「企業に資産を残す考えを持ちたい」というお考えをお持ちでしたら、お気軽にお問い合わせください。STUDIO MIRAIでは、わかりやすく、長く使える記述を大切にしながら、お客様と一緒に未来への贈り物を作っていきたいと思っています。

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